粉河街道と旧池田隧道

県道62号犬鳴峠(神通峠)の位置は池田隧道だと思っていたのだが、どうも県境らしい。
そんなことを調べているうちに、粉河街道とか旧池田隧道だとかのキーワードにぶち当たった。

’20.3.20(金)春分の日、9時にJR和歌山線粉河駅に集合する。
メンバーはKくんと私の二人。

古い駅舎なので、古レールの柱があるかなと思ってみていたら
ありました!官営八幡製鉄所のロールマーク。

駅前の通りを北へ進み、善光寺の手前で左に折れて旧道へ入る。

幾度もミスコースをしつつ、いよいよ本格的な上りかなと思ったら
行きどまってしまった。

計画したルートをみれば・・・行きどまってるやん!

桜池に沿って北へ走る。

この池、明治43年の地図にも載っている。

現在の道は池に沿って東へ続いているのだが
上の地図からも解るように、粉河街道は池から離れ
しかも急勾配で上り始める。

自分のへたくそな写真では落差があまり伝わらないのだが
実際は相当な勾配だ。
すでに17Tインナーを使っている。

旧道はミカン畑への農道になっているようだ。

 

分岐に道標があった。「石新四国・・・」と読める。
「石」は道標の頂部が欠けているので「右」じゃないかな。

めっちゃいい天気。気温も高い。

南に展望が開け、紀ノ川を挟んで龍門山が見える。

この先コンクリート舗装と地道の分岐を左へ。

松峠の案内板があった。

案内に沿って右手を仰ぎ見れば経塚があった。
葛城二十八宿、第六番経塚松峠とある。

記念撮影。

どんどん登って行く。

志野峠に到着。

またまた記念撮影。

志野峠からは、旧池田隧道を目指して、山道を登っていく。

が、どこが道か解らない。
もう道のないところには踏み込まない。
と決めたのだが、少しだけ進んでみる。

ピンクのテープを手がかりに進む。

藪に遮られつつ相当な急勾配を担ぎ上げたところは
三角点のある小ピーク。

この小ピークはA地点だ。
ここからの降下がさらに大変だった。

枝やツルにバイクが引っかかるし・・

いたるところに倒木はあるし。
これはおそらく一昨年前の台風21号の影響だろう。

これ!どこ通ったらええの!
イバラまで・・・

なんとかかんとか下ったところが小さな切り通しになっていて
ここにも経塚があった。
しかも六番?
調べてみると、気が付かなかったけど、さっき通過した志野峠にも六番の経塚があるらしい。
六番が三つ!?

この峠はおそらく旧池田隧道の真上、隧道が出来る以前の峠で、幸左ヱ門峠(下図地点)だろう。
実はこの峠で、記念すべき500峠目になる!

本当は隧道(オレンジのライン)の南側に出る予定だったのだが
GPSを見ていると少し北側を歩いている感じだった。
南側は崖になっていて、とても下れない。
なので、北側の藪道を下ることにした。
家に帰ってから調べると、南側の急斜面にはトラロープがあったらしい。

選択した北側の藪道も相当なモノで、道なのかも解らない代物だったが
下に林道が見えたので、下ってみることにした。
途中、丸木橋が崩落しているところや、藪漕ぎする箇所を抜け
やっとのことで林道に出た。
そして振り返ると・・・

旧池田隧道がその姿を見せた。
明治19年竣工の和歌山県で最も古いトンネルだ。
道路用煉瓦隧道のなかでは鐘ヶ坂隧道の明治16年年に次ぎ
福井県の金ヶ崎隧道と並んで2番目に古い。

柵も何もなく、侵入も通過もできるが
白化が進んでいる。大きな亀裂もある。

さらに進むと不思議なことに、一部だけ素掘りのまま
煉瓦巻きされていない部分があった。
その個所には崩落があった。

南側まで行くのはあきらめる。

明治43年の地図を重ねてみると、トンネル南側の道は
現在の県道とはまったく違うところを通ている。
現在この道は、藪に埋まっているようだ。

大幅に時間オーバー。
この時点で14時だ。
遅れついでにコーヒタイムにした。

トンネルから北側の道は林道といった感じで、すぐに粉河街道に合流した。
そんなことならこっち側からアタックすればよかった。

そこから少し走れば県道に合流する。

明治43年の地図では、県道に出る箇所(地点)が違っている。
旧道部分は確認できたが藪になっていた。

今回GPSが一時停止になっていて、残念ながらLOGが取れていない。
上の青いラインは計画時に手で描いたものだ。
実際歩いたルートは少し違う。

これは現在の池田隧道。
ここからさらに二つの峠を目指す。

まずはの中畑峠に向かう。

道端にはフキノトウが。

名もなき峠から分岐する林道に入る。
不思議なことに、我々の進むところ、いつもピンクのテープがある。
が、看板の下黄色い小さな案内板に経塚はこっちと記されていたのを見て、理解できた。
ピンクのテープは経塚への道導なのだと。
我々のルートがたまたこれと同じだったと言う訳だ。

コンクリート舗装の急斜面をインナーで上って行く。

舗装が途切れる。

林道と山道が交差する地点が中畑峠だ。

引き返しての薦坂峠(こもさかとうげ)に向かう。

道のドン突きが薦坂峠だ。

地点まで引き返すと、こんな看板があった。
少し字が違うけど薦坂峠への案内板か。

 

県道を下り犬鳴山温泉の猫カフェ「空」で遅い昼食。(15時)

 

そして不動口館で温泉につかる。
ええわー、ここは落ち着く。

山道で体力気力を使い果たしてしまい、粉河街道をトレースする気が起きないので
県道を通ってJR熊取駅でゴールにした。

 

参考サイト

旧道倶楽部 旧池田隧道

山は楽しい ショウタンの山歩録

※地図は今昔マップより引用させていただきました。

 

 

 

 

 

 

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