貨物新幹線

いつも北摂の山に向かう道の途中
新幹線の高架を少し東に行ったところに
新幹線をまたぐ、謎の高架橋がある。
巨大なコンクリート製の構造物は
幻の貨物新幹線の残骸だ。
その昔、東海道新幹線に高速貨物列車を走らせる計画があった。

しかし、最近撤去工事が始まったらしい。
無くなるまでに一度見ておきたい。
’14.2.1(土)KくんのBBQに行く途中
寄り道して見に行くことにした。

一昨日完成したばかりのスーパー軽快車?で現地に向かう。

この二階建てになっている高架が貨物新幹線の遺構だ。

撤去工事は、想像していた以上に進んでいた。

コンクリートの断面は、切れ味のいい刃物で切り取ったように
鉄筋までがスッパリ切れている。
この高架を、新幹線は1日に336本通過するそうだが
運行の安全を確保しつつ、撤去できる工法が確立できたため
撤去することになったそうだ。

 

撤去工事前は、さらに90mほどの斜めの2階建て高架があった。

昭和33年7月に日本国有鉄道幹線調査会から提出された
東海道新幹線建設の必要性に関する答申によると
貨物新幹線は、夜間に最新鋭の高速コンテナ列車が走行。
東京−大阪間を5時間半で結ぶ計画だった。

 

昭和38年の国鉄パンフレットには高速コンテナ列車の模型も紹介されている。

しかし昭和39年10月開業時に、高速コンテナ列車が華々しくデビューすることはなく
計画は幻に終わった。

旅客輸送のみの鉄道建設が、世界的に認められていない時代。
世界銀行からの融資を受ける為に、新幹線貨物電車も計画に盛り込んだものの
もとより実現の見込みはなかったとも言われているが
それなら、ここに残る遺構の存在は何なのだ。

これは、現地の航空写真。
写真中央には、撤去前の90mの斜めの2階建て高架が写っている。
そして、そこから北東に分岐点らしきものが存在する。
計画では、ここから2階建て高架まで線路を引き
2階建て高架で本線をまたいで行く予定だったようだ。(黄色のライン)

目指す方向は?!

鳥飼基地ではない。
大阪貨物ターミナル駅だ。

新幹線貨物駅建設用地は、 大阪貨物ターミナル駅となっている。

途中、コンビニのイートインでコーヒーブレイクし
イトーサイクルでストック用のブレーキワイヤとシフトワイヤを仕入れて
淀川堤防を下流に走る。

赤川鉄橋の右岸側は、このような状態になっていた。
3時前、Kくんちに到着した。

久々の鉄道遺構でした。

 

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